直感と論理をつなぐ思考法
直感と論理をつなぐ思考法
佐宗邦威
序章 「直感と論理」をめぐる世界の地図
・「いかに答えを探すか」ではなく、「そもそも答えなどない」という前提で動くことが、大半の人・組織に求められるように。勤勉は足かせにすらなりかねない。
・利益の8割方は「新しいゲームを作った一握りのマーケター」に負う。戦略思考やフレームワークといったものは、ゲームの残り2割を補うためのツールに過ぎない。
・直感と論理の間を自在に行き来する「往復運動」こそがデザイン思考の本質。「両脳思考」でも、思考のLモード(言語脳)とRモード(イメージ脳)を自覚的に切り替えながら発想を磨き上げていくことを推奨。
第1章 最も人間らしく考える
・余白がなければビジョン志向が機能しないことをイノベーターたちは経験的によく知っている。
・ペン・フィールドのホムンクルス。人間の神経細胞(ニューロン)のほとんどは、目・手・口に関わる部分に集中。
第2章 すべては「妄想」からはじまる
・「実現しそうもないようなアイデア」としてのニュアンスがある「妄想」という単語は、日常会話におけるある種の予防線として機能。
・妄想を開放して大きな目標を描くムーンショット型の思考力、ビジョン思考への見直しが。
・ムーンショット型アプローチの本当の目標は、定めた目標に行き着く過程で、様々な技術が生まれ、その技術が世の中に還元され、世の中が変わること。
〇ひょんなことから生まれる、というのもいろいろとやるからこそ。自分のムーンショットは何だろう。
第3章 世界を複雑なまま「知覚」せよ
・テクノロジーのおかげで世界をよく見通せるように感じているが、「シンプルさ」「わかりやすさ」を突き詰めるほど、視野は狭まるように。
・個人向けにカスタマイズされた情報に触れれば触れるほど、個人の頭の中は「ほかの個人」と同一化し、人と同じようなことしか考えられなくなる。
〇主義として個を持つことは悪いことではないですが、多様性を受け入れることは必須。『「私はあなたの意見には反対だ。しかし、あなたがそれを主張する権利は命を懸けて守る」』
・視覚的な情報は思考を発散させるうえでは有効だが、議論を収束させていくときは言語情報へと圧縮する手続きが必要。
第4章 凡庸さを克服する「組替」の技法
・デザインとは組替そのもの。組替=分解+再構築
・小説を通じたフィクション体験と現実との体験とを脳は区別しておらず、物語を追体験することで脳のアナロジーの力は高まっていく。
〇演劇の力はまさにこれです。
・「名前を付ける」という行為の大きさ。名前がついた瞬間、そのアイデアは「妄想」から「発想」に代わり存在し始める。
第5章 「表現しなきゃ思考じゃない!
・「手を動かす」モチベーションが湧いてくるのを待つのではなく、手を動かさざるを得ない状況をどこまで戦略的に作っていくか。
終章 「妄想」が世界を変える?
・「真・善・美」。古くはプラトンに始まり、主に哲学・思想の分野で受け継がれてきた概念、実務家に必須の教養。
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