悪人列伝 古代篇
悪人列伝 古代篇
海音寺潮五郎
蘇我入鹿
・物部氏は神代以来の軍閥派で、武士(もののふ)という言葉の語源の家。
・(太子は)中国の進んだ文化を取り入れて、制度完備の新しい文明国家として再編成することを理想に。勝算のない馬子征伐より、懐柔し、制御し、その勢力を利用。
・入鹿は猜疑心の強い性質で、昼夜剣を腰から話したことがないので、前もって俳優(わざおぎ:ピエロ)に言い含めていたので、俳優は入鹿にふざけかかって、剣を解かせた。
弓削道鏡
・大国主命の神話の中に、大国主命と少彦名命とが相談して医薬とまじないを決め、中国でも医と巫とは巫医といい、旧字は「毉」。
藤原薬子
・人間は法律や制度を無力化することの名人。長い年代を経る間には弊害ばかりが大きく。勘解由使の制度も。
○歴史と見直しのバランス。既得権益との戦いでしょうか。
平将門
・武士の起源は、国家の軍備撤廃によって自然発生した自警組織。
藤原純友
・いつの時代、どこの海賊でも、無闇に兇暴で見境なく襲撃するものでなく、彼らなりの秩序が。この秩序の筋道をたどって、前もっての渡りをつけておけば襲撃されずに済む。
解説
・司馬遼太郎の「国盗り物語」。種本は悪人列伝の「斎藤道三」との指摘に、破顔一笑した司馬。自身の史伝が利用されることを望んでいる海音寺。
○若手を見る著者の優しいまなざしが感じられます。
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