渋沢栄一と安岡正篤で読み解く論語

渋沢栄一と安岡正篤で読み解く論語

安岡定子

 

第1章 渋沢栄一と安岡正篤と私

・祖父の著書に、子供に命名するのはその子の人生に哲学を与えること、これしかないという必然の名前を与えることが、名付ける人の務め。

〇二人の娘の名前を付けるとき、とても悩んだことを思い出します。哲学、与えられていたら、いいな。

・田部井文雄先生は、「人間としての物語としてこれほど面白い読み物はない。『論語』は決して難しいものではなく、所詮人間模様です」と。

 

第2章 「論語」は最高の「人生の指南書」

・日本では長らく「生きるための哲学書」として読まれた。日本人の持つ勤勉性、礼儀正しさ、謙虚さ、粘り強さなど、孔子の思想は日本でこそ根付いたと考える学者も。

・孔子の言う「君子」とは、超人でなく、誰もが努力次第でその域に達することが可能であるとし、良識と熱意があり、ひたすら実力を磨き、能力を蓄えていけば、やがては到達可能な境地。

・祖父は口癖のように「人間、そんなに差なんかありゃせんわ」と。

・学び続けていると、いつかきっと「なるほど、そういうことだったのか!」と腑に落ちる瞬間が訪れる。

〇これ、本当にそうです。そこまでは結構きついけど、続けられるかどうか。継続は力なり。

・孔子が自身を持って人材育成に邁進できたのは、過去、すなわち「故き」理想の政治がおこなわれてきた時代について学んでいたからこそ。

・人と関わるということには煩わしさがあるが、それこそが仁を磨いてくれる。

 

第3章 ビジネスの教科書とした渋沢栄一

・(渋沢栄一は)社会事業には継続性が大切だという信念を持ち、新しい事業を始める際には、まず協会などの組織を立ち上げ、自ら上位の役職に就く形をとることが多かったよう。組織がないと周囲への説得力が生まれないことをよく知っていた。

・事業立ち上げの際の原則、日本にはまだないが海外には既にあり、それがその国の国民の生活を豊かにしているものに着目。(中略)普及しているということは人々にとって必要なものだから、という信念ゆえの行動。

 

第4章 人材育成の要諦とした安岡正篤

・人間は師の恩や友の益によって成長するものであり、大事なもの。

・技術の発達に伴う経済的国際化が各国民の差別をなくすのでなく、国民の特質をなくすことでなく、国際的進歩に和して、以下にますますその国民の特質を発揮するかということが大切。

〇その地に合わせて文化が発達するのなら、その国に合った国民性があるということでしょうか。

 

第5章 二人の達人による「論語」の名講義

・人間万事「省」の一字に尽きる。「かえりみる」と同時に「はぶく」。かえりみることによって、よけいなもの、道理に合わぬものがはっきりわかって、よくこれをはぶくことができる。(中略)民衆に代わって彼らの理性・良心となって、つまらぬものをかえりみてはぶいてやるのが政治。

・自家広告をなすものは人に嫌わるるに至るべし。自己の実力足らざるを棚に上げておいて、無暗に人の己を知らざるを気にするのは、愚かなる考え。

・「人が己を知ってくれようがくれまいが問題ではなく、己が己を知らないことの方が問題。(中略)人間というものはいくつになっても、自分というものが一番わからない。

〇承認欲求といかに上手に付き合っていくか。がっつかないマーケティング。

・多くの事業を立ち上げ、次々と信頼できるパートナーに託していった渋沢は、大きな事業を成功させるために必要なものは、自分の能力より人物鑑識眼であると言い切っている。

・「怒りを移さず、過ちを繰り返さない」。(中略)小事にその人間がよく現れると言うがその通りで、何でもない些細なことにその人の性格がよくでる。

〇耳が痛いですが、根底まで変わらなくても立ち居振る舞いは学べる、変われると思っています。精進。

 

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