ヤマト正伝

ヤマト正伝~小倉昌男が遺したもの~

日経ビジネス編 日経BP社

〇小倉会長以降の5人の経営者。

有富慶二氏

・当社はものを運ぶという典型的な労働集約産業ですから、威張ったり、人の手柄を横取りしたりする人材は向きません。部下には厳しいけれど、上司にゴマをするような人材も絶対にうまくいかない。部下は全部見ていますから。

・ガバナンスを変えるには”外の血”が必要だった。単に過去をなぞるだけでは組織が硬直化してしまいます。

〇木川眞氏をみずほフィナンシャルから招へい。

・経営者の真価を問うものは何か。(中略)バトンタッチの在り方。言い換えれば去り際の姿なのです。一世を風靡しても、バトンタッチでつまずいて消えてしまった企業はたくさんあります。

〇三国志の袁家を思い出します。

・新しい需要が生まれたことを、小倉さんは麻雀に例えて「ツモったら裏ドラがついてきた」と表現していました。

〇ツモったから、つまり、行動したからご褒美がついてきたということですね。

・成果が出るまでじっくりと耐え忍ぶ我慢強さも、イノベーションには不可欠なのです。

瀬戸薫氏

・「サービスが先、利益は後」 ヤマトグループの一員であれば、経営トップから第一線の現場まで、この言葉を何より大切にしているはずです。

・私は小倉さんに説明を繰り返す中で分かったことがありました。「これをやれば儲かります」と話すと、一切相手にしてくれないのです。怒鳴ったり、叱られたりすることはありませんが、ぴしゃりとやられてしまう。なぜなら小倉さんは、完全にお客様の立場で物事を考えているからです。

〇言うは易し行うは難し。でも、絶対に考えなくてはいけない事。

・組織の中には変化を嫌がる人も多い。けれど小倉さんは仕組みを変えることに全く抵抗がなく、むしろ環境に応じて仕組みを変えることが当たり前だと考えていました。

・自由闊達に意見を言い合える場は、イノベーションの原点です。前向きな意見がぽんぽんと飛び交う中で互いに刺激し合い、時にひらめきや解決策が生まれてくる。一人で悶々と考えるよりもブレストを増やすこと。会話が増えるほどイノベーションは生まれやすくなるのです。

木川眞氏

・経営には必ず目指すべき夢がなくてはいけません。それを実現するために、論理的にストーリーを組み立て、実践していく。思いだけが先行してロジックが伴わなければ、いつか夢は破綻します。

・不祥事が起こった時は、まずは社員に誠実であること。そうしなければ問題の本質は把握できません。責任の所在を明らかにした上で、お客様や株主、報道陣に隠し事をしない。

山内雅喜氏

・人間はやりがいを持って働きたい生き物であると、小倉さんは信じていました。やりがいや、やる気を持って働けば、良いサービスを提供でき、生産性も上がり、会社にとってプラスになる。これが理想の形だと信じていたのです。(中略)本社で幹部と話すときには苦虫を噛み潰したような表情の怖い人でしたが、現場ではいつもにこにこしていて、とてもいいおじさんでした。

・「どこまで行っても評価の仕組みに正解はない。正解は見つからないかもしれないけど、より良い形を求めていく」 人事制度を策定する過程で、小倉さんは何度もこう話していました。それほど、人間が人間を評価することは難しいことなのです。

・どんなに良い仕事をしても会社が評価しなかったり、無関心でいたりすれば、働く人のモチベーションは落ちてしまいます。

・「変わるべきものと変わるべかざるもの」を、小倉さんは明確に分けていました。(中略)第一線の人材を大切にし、社員がやりがいを持って働く環境を作ることは、変わるべかざるものとして、守っていかなくてはなりません。

〇上の人がしっかり見ていてくれると思うから、現場は頑張れるのだと思います。

長尾裕氏

・毎日開かれる朝礼でも、営業所長が「小倉さんはあの時こう言った」「小倉さんならこう考えるはずだ」といった話をすることがありました。そのエピソードはどれも、とても分かりやすかった。

・小倉さんの言葉は極めてシンプルで伝わりやすい。忙しい現場のセールスドライバーでも、簡素で本質を突く言葉ならば刺さるのです。

〇シンプルな物言いを心掛けること。

・大企業でありながら、中小企業の集合体のような組織の形を作ること。それが小倉さんの目指した「全員経営」ではないでしょうか。実践するには、営業所の責任者がリーダーシップを持つことです。現場の強さこそ、私たちの最大の武器なのです。

・サービスの導入段階では、収支やコストを度外視してでも信頼を獲得しなければ、利益の出るビジネスは生まれません。商売とは、そういうものです。

〇信頼関係を築くのが一番大切です。これが、起業初期の一番大切なことであり、一番大変なことだと身に沁みています。

・宅急便のようなビジネスの場合、1年の中、また1日の中でも、ニーズの山と谷があります。そのため、営業所の責任者には、戦力をどう采配するかという能力が求められます。

・改めてヤマトグループの歴史を振り返り、やはり「サービスが先、利益は後」「全員経営」などの小倉イズムは、ゆるぎないものだと確信しています。

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