保育の中のアート

保育の中のアート

磯部錦司 福田泰雅

第1章 プロジェクト・アプローチとは

5 プロジェクト保育と物語性

・プロジェクトとして探求が生き生きと成立するために、最も重視しなければならないことは、「子どもから離れない」ことだ。どれほど優れたプランであっても、子どもの心に触れ、心のなかに波が起こらなければ学びは深まりにくい。

・レッジョ・エミリアの保育は、「人は表現しながら生きることを基本としており、その表現は個人的な行為でありながら、物や他者という社会と深く関わっている。ここでいう「社会」とは、市民の対話によって成立している[社会]であり、それこそが子どもが発達するために重要な要素になっている」ことを教えてくれる。良き市民の一員としての子どもたちが活動し展開する、プロジェクト保育の可能性を見せてくれているのだ。

〇誰かが見ていてくれる、これはやはり大人でも子どもでも共通な事なのでしょう。

7 個を生かす保育

・H・ガードナーは、理解のための教育としてゼロ・プロジェクトを展開しながら、そのなかで多重知能という考え方を提唱した。つまり、人間は誰もが生まれつき8つの知能をもっているというもので、その8つとは、言語的能力、空間的認識能力、身体・運動的能力、論理的・数学的能力、自己観察・管理的能力、自然との共生能力、人間関係形成能力、音感的能力である。そして8つの知能は、一人ひとり分布もバランスも異なっている。(中略)ただ、一人ひとりがその人らしさを発揮しあえる関係のなかで互いに学び合い、補い合えるのである。

第2章 アートの意味と役割

3 「生活・遊び・教育・アート」の関係

・子供たちにとっては、「アートは遊び」であり、子どもが生きる営みすべてのなかに、アートも遊びも教育も包括されている。

・生活が生きることのすべての営みであるならば、アートも遊びも生活の中の一部であり、それらは切り離してとらえられるべきものではなく遊びもアートも自発的で主体的な生活のなかの貴重な「学びの営み」であるといえる。

〇すべてにおいて学び、というのは、大人になっても忘れたくないものです。

第3章 プロジェクト保育の周辺

1プロジェクト保育を支える概念

1 「平等」

・保育のなかで「みんな一緒」を考えるとき、誰にも同じように対応するという「平等」という概念が背景にあるように思う。この「平等」という言葉は、ほとんどの場合「均等」と同じ意味で考えられているのではないだろうか。

〇これは考えさせられます。何が平等なのか。ただイメージ的には「質量保存の法則」に近いものがあるような気が・・・

3「完成」「想像性」

・子どもはしばしばごっこ遊びなど、多くの場面で模倣をしている。模倣するということは将来生きていくために必要なものごとを学んでいるということである。

〇ミラーリング。

ミラーリングとモノマネ

先日のOJT指導員研修での一コマ。 指導における笑いの位置づけについて、受講者の方とお話をしました。 どんなに真面目なビジネスの話だとしても、笑いの要素は必要だ、と…

・子どもはさまざまな経験を通じてイメージを描くようになり、次第に仲間と共通するイメージで遊ぶようになる。人はイメージできないものは描くことも、言語化することも、実現することもできない。

・小学校以降の学習では言語が重視されつつあるが、それ以前にイメージすることが大切となる。

4「対話」

保育における対話

・佐伯胖のドーナツ理論によると、人が自分の領域を広げる際、いきなり外界とつながるよりも、共感してくれる二人称的仲介者が必要となる。

〇正統的周辺参加論につながります。やはり、「つなぐ人」は重要ですね。

対話と同僚性

・同僚性とは、教育理論の研究で注目されているキーワードで、教員同士が支え合い、それが力量形成につながる関係をいう。

〇一人で教えるのではなく、みんなで教える。信頼関係を持つこと。

7「イメージ」

・保育園では運動会が終わってからも、外遊びにおいて運動会の中の人気種目が遊びとして自発的に継続されている。(中略)そばに生き生きと輝く人がいて、あのようになりたいという心が芽生え、イメージが生まれるのだ。

2 プロジェクトを保育を支える環境

人的配置

・何かに興味や関心を示し、探求しようとする基本的な仲間の人数は4~5人程度であり、これくらいの小グループが活動するとき、最も学びが深まる。

第7章 アートの可能性

5 グローバル化における保育の創造

・保育においてグローバル化のキーワードとなるものは、「異質感の需要」であろう。異なる言語や文化、肌の色や宗教の違いすべてにおいてそれらを受容する感じ方が子どもたちの将来において必要とされる時代となっている。

6 社会的な創造活動というアート

・子どもの存在や作品は切実感の強いものとしてある。

〇自分が親として感じることは、子どもといるのは当たり前なんだけど、それをしっかり守っていかないととんでもないことになるということ。「切実感」という言葉に心が震えます。

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